コラム フードバンクとSDGs
こんにちは、セカンドハーベスト名古屋事務局の山内です。
このコラムではフードバンク活動の現場で起こった出来事から、事務局スタッフとして私が感じたこと・考えたことをご紹介します。フードバンク活動から見えてくる、「いま」をお伝えできればと思います。
先日、こんなニュースが取り上げられました。
日本経済新聞「ピコ太郎さん、国連で「SDGs」をPR 替え歌披露」
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。SDGsは2015年9月の国連総会で採択された、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた国際目標です。
貧困の根絶や格差是正、働きがい、環境保護など17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。詳しくはコチラをご覧ください。
SDGsでは具体的な数値目標を設定しており、各国は進捗状況を発表しています。2017年7月にドイツのある財団が達成状況をランキングで発表しており、日本は193か国中11位でした(1位スウェーデン)。
ランキングの詳細はコチラ(英語版のみ)
また、この報告書には17の目標と169のターゲットの達成状況が国別に色で評価されています。日本の17項目それぞれの評価が色で示されたイラストを以下にご紹介します。
緑 色 :目標をすでに達成している
黄 色 :達成に近づきつつあるが課題が多い
オレンジ色:課題が多い
赤 色 :達成に程遠い
まず注目していただきたいのが、赤色の「達成には程遠い」とされている目標です。
17項目のうち5つ該当しますが、そのうち「目標12:持続可能な消費と生産パターンを確保する」のターゲットには「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる」と明記されています。詳しくはコチラ
評価が低い理由は、日本では年間621万トンもの食品ロスが発生していることが大きく影響していると言われています。
一方、目標をすでに達成していると評価されてもおかしくなさそうな「目標1:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」が、黄色の「達成に近づきつつあるが課題が多い」と評価されています。
評価が低い理由は1日1.9ドル以下で生活している絶対的貧困がほぼないものの、国民一人当たりに換算した可処分所得の平均の50%に満たない人の割合をしめす相対的貧困率が高いことが大きく影響していると言われています。
「食品ロス」「貧困」
これはフードバンク活動と大きく関係しています。
さて、このSDGs推進させるため国・企業も様々な取り組みを行っています。先程のニュースでご紹介した通り、外務省がピコ太郎さんに依頼してSDGsを紹介する替え歌を作成しました。
東京の国連広報センターは吉本興業と連携して動画を作成しました。
さらに、SDGsを企業が経営に活かす動きも出始めています。
日本経済新聞「企業も経営に導入 国連「持続可能な開発目標」」
最後にまとめますと
・日本を含む国連加盟国が、世界をより良くする目標であるSDGsを採択したこと
・SDGsでは貧困や食品ロスなどフードバンクと関連する達成目標が設定されていること
・日本政府、企業ともSDGsを活かした取り組みが広がりつつあること
等の世界・日本の流れにおいて、
・国が食品ロス削減や貧困を無くすため、フードバンクに対して何らかの支援をすること
・企業が経営にSDGs導入するため、フードバンクに対して食品やお金を寄付すること
等が予想されています。今後もSDGsには注目していきたいと思います。