ケアリーバー支援
ケアリーバーとは、児童養護施設や里親、母子生活支援施設などの社会的養護の施設の保護(ケア)から離れた(リーバー)子どもや若者、母子家庭のことをいいます。2HNでは、2017年からケアリーバー支援の活動を行っています。活動開始のきっかけは、パートナー団体として食品を提供している母子生活支援施設や児童養護施設、自立援助ホーム等の社会的養護の施設スタッフから、「施設を退所した人が食べ物を必要としているので支援してもらえないか」と相談をうけたことからでした。詳しく聞くと、施設にいる間は様々な支援が受けられるものの、一旦退所すると生活に困ってしまう場合があるとのことでした。まわりに頼れる人がいない中、少ない貯金や奨学金で生活し、家賃や水道光熱費、スマホ代を支払うと手持ちが少なくなり、食費を削って体調が悪化することもあり、スタッフが自腹で食 品を買って持っていくこともあったそうです。そこで私たちは社会的養護の施設と連携して、退所した子どもや若者、母子家庭へ毎月食品パックを届ける活動をスタートし、現在では年間約1000箱の支援を行っています。
ケアリーバー支援の仕組み
まず、施設スタッフから退所した母子家庭や子どものうち食料支援が必要と思われる世帯にこの活動の案内をしてもらい、必要な場合には施設を通じて申し込んでもらいます。施設から申込者の情報を受け取った2HNは、毎月1回食品パックを送付します。施設スタッフは食品を受け取れたかどうかの確認連絡をしたり、一人暮らしの子どもの場合は直接届けに行くこともあります。施設スタッフからは、「毎月連絡をする口実ができるので、これまで途切れがちだった退所者とのつながりが維持できます。」「食品を持って行くことで色々な話ができ、困ったことを気軽に相談できるようになりました」といった声をいただいています。
ケアリーバー支援の拡大
この支援により、母子家庭や子どもたちは食費を削減できることで、食生活の改善や精神的な安定につながります。さらに退所した施設スタッフとの関係性が維持できます。施設スタッフからのもっと広げて欲しいという声を受け、活動開始当初は毎月10〜20世帯への送付でしたが、事業費の一部に愛知県共同募金会(赤い羽根共同募金)からの助成金を活用し、今では毎月約80世帯へ届けています。
2023年からは、毎月1回の支援(定期支援)だけでなく、支援が必要なタイミングで随時申込してもらう新しい形の支援(不定期支援)を開始しました。支援の選択肢を増やすことで、支援対象者をさらに拡大し、今後は少しずつ愛知県全域や県外にも支援の輪を広げていきたいと考えています。2HNは、18歳で就職や進学する子どもたちや孤立している母子家庭が困ったときに、施設の職員に「助けて」と言える関係づくりや食料支援による生活応援を目指しています。
- 食品を受け取った
ケアリーバーの皆さんから頂いた声 - 施設を退所後も支援して頂けて、すごく助かります。
- 物価がどんどんあがり食費が家計を圧迫する中、わが家にとって毎日楽しいプレゼントの様な感覚で段ボールを開けていました。
- 毎月とても考えて食品を送っていただき、心から感謝しています。子ども達にお腹いっぱいごはんを食べさせられること、本当に心も救われました。